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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
アカガエル属カエル卵由来のシアル酸結合性レクチン(SBL)は,レクチン活性ばかりではなくリボヌクレアーゼ(RNase)活性をも合わせ持つタンパク質分子であり,これらをレクザイム(leczyme)と呼ぶことを提唱している.ウシガエル卵由来のSBL(cSBL)の細胞増殖抑制作用の発現には,この2つの機能が連続して係わっていることを明らかにしている.cSBLにより引き起こされる細胞死がアポトーシス様のものであるか否か,また細胞死誘導時の細胞表面糖鎖の変化について検討した. cSBL処理によりP388細胞ではRNA分解が初期に観察されたが,それに伴いアポトーシス様の細胞死に見られる典型的な形態変化とDNA断片化が観察された.アポトーシス細胞ではRNA代謝回転速度が増加していることが知られており,細胞内に取り込まれたcSBLがRNase活性を発揮することがアポトーシス誘導に重要であると推測された. cSBL処理による細胞死誘導時の細胞表面糖鎖の変化をフローサイトメーターにて検討したところ,シアル酸残基を含む糖鎖が増加することが明らかとなった,また同時に,アポトーシス関連抗原であるFas抗原および腫瘍壊死因子レセプター(TNFR)の発現も増加した.benzyl-α-GalNAc処理P388細胞では細胞死は認められないが,P388細胞の場合と同様,これらの細胞表面抗原の発現増加が認められた.cSBL処理によるシアリルトランスフェラーゼ(ST)の発現増加をRT-PCR法にて検討したところ,細胞表面のシアル酸残基を含む糖鎖の増加とパラレルに,STの発現も増加した. SBL処理によりアポトーシス様の細胞死が誘導され,この時,細胞表面のシアル酸量が増加した.このシアル酸を有する糖鎖のキャリアー分子がTNFRである可能性が示唆された.
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