ウルシオール-オリゴ糖配糖体の合成と作用機構の解明
Project/Area Number |
09240236
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
宮腰 哲雄 明治大学, 理工学部, 教授 (00062018)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | ウルシオール / マルトオリゴ糖 / ウルシオール配糖体 / 配糖化 / 漆カブレ / トレランス / 不飽和トリエンウルシオール / 漆膜の構造 |
Research Abstract |
漆カブレはウルシオールにより引き起こされる遅廷性アレルギー反応である。一方、漆との接触を繰り返すと免疫寛容(トレランス)が誘導されカブレに強くなる現象が認められている。このトレランスを積極的に誘導するためには本研究では、ウルシオール-マルトオリゴ糖配糖体を合成し、その作用機構について検討している。今年度は種々のウルシオール配糖体の合成と得られた生成物の性質を調べた。ウルシオールは空気中で酸化され易く、水に対する溶解性は無い。しかしながら合成したウルシオール糖配糖体は空気酸化に対しては安定であり、マルトテトラオース(G4)以上のウルシオール配糖体はいずれも水溶性であることが分かった。次にウルシオール糖配糖体のモルモットの皮膚上での加水分解性を調べたところ、ウルシオール(PDC)を貼布した箇所の皮膚に紅斑、浮腫が認められたがウルシオール配糖体を貼布してもいずれも変化が無かったので皮膚での加水分解は起きていないことが分かった。現在この配糖体を用いた動物試験によりトレランスの誘導、リンパ球によるテストなどについて検討している。 漆カブレ作用の解明に関連して、漆器によるカブレを検討するには漆膜の化学構造が明らかでなければならない。しかしながら漆膜は架橋ポリマーであるため化学分析法が限られている。我々は熱分解-GC/MS分析法による漆膜の結合様式と構造末端を明らかにすることができた。漆器の硬化の進行と漆カブレの関係を検討することが可能になった。また不飽和側鎖を有するウルシオールは強いカブレ作用を示す。天然のウルシオールは複雑な混合物であるので、化学合成による不飽和トリエン側鎖を有するウルシオールの合成法を検討した。不飽和トリエンウルシオールを用いる漆カブレの検討が可能になれば極めて微量な試料での漆カブレの研究が可能となった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)