Project/Area Number |
09241201
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大澤 雅俊 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (00108466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安宅 憲一 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (80281848)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 近接場 / プラズモン / 金属微粒子 / 表面増強赤外分光 / 時間分解測定 / 反応ダイナミクス / 電極界面 |
Research Abstract |
本研究は、金属微粒子のプラズモン励起によって生ずる近接場を利用して、その表面近傍に存在する分子種の赤外スペクトルを高感度に測定する方法、表面増強赤外吸収分光(SEIRAS)、を新しい超高感度な新しい表面分析手段として発展させることを試みるものである。高感度であることの最大の利点は、表面反応過程が時間分割で追跡できる点にある。本年度は、特にこの点に重点をおいて検討した。 1.電気二重層の充電ダイナミクス:電気化学系では、電位をステップさせた際に流れる過渡電流の計測により反応の速度論が構築されてきた。ここでは、電極/電解液界面をいくつかの抵抗とコンデンサーから成る等価回路を仮定して結果を解析するが、その物理的意味は明確でない。そこで、10μsの時間分解赤外分光で硫酸中のAu(111)電極表面の充電過程を検討し、以下の新しい知見を得た。(1)電位ステップ後数百μs以内に界面の水分子の配向変化が起こる。(2)硫酸イオンは拡散律速で吸着する。(3)硫酸イオンの被覆率が飽和量の約1/2になると、水分子が硫酸イオン間に橋架け水素結合を作り、界面構造が大きく変化する。(4)こうした構造変化は過渡電流と対応する。(5)電極系は印加した電位変化に速やかに追従しない。 2.新しい高速赤外分光法の開発:電極系は印加した電位に速やかに応答しないので、反応速度論的解析が困難である。そこで、FT-IRと交流インピーダンス法を結び付けた新しい測定法(FT-EMIRS)を考案し、その基礎がほぼ完成した。電極電位を交流変調し、それに伴う赤外信号変化の同位相成分と、90度位相がずれた成分の複素解析によって反応速度を求める。これによって、FT-IRの時間分解能を越えるナノ秒領域での反応ダイナミクスが検討できることが明かとなった。ただし、この測定には1昼夜を要するために、現在、時間短縮のための新しい技術の開発を行っている。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)