中赤外ピコ秒レーザーを用いた有機超薄膜の近接場顕微振動分光
Project/Area Number |
09241214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梶川 浩太郎 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (10214305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 幸雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (60194081)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 近接場光学 / 振動分光法 / 有機超薄膜 / 非線形光学 / 表面和周波発生 / 自己組織化単分子膜 |
Research Abstract |
本研究の目的は有機超薄膜の微視的な構造を明らかにするために、振動分光法を利用した近接場光学顕微鏡を構築し、有機超薄膜の観察を行うことである。研究初年度である本年度は以下のような成果が得られた。 1.Nd:YAGレーザーを光源としたピコ秒のパルス幅を持つ中赤外レーザー発振システムを構築し、強い強度の赤外レーザー光を得ることができるようになった。この光を利用して、赤外分光法だけでなく、非線形光学効果の一種である可視-赤外光和周波発生を有機単分子膜に適用し、その信号を得ることに成功した。高強度の赤外光を用いることにより、感度の点で不利であった赤外光の検出が可能となる。また、可視-赤外光和周波発生では、可視領域の光が得られるため感度が高く背景ノイズの少ない検出器を用いることができる。これら結果から、数ナノメートル程度の膜厚の薄膜でも近接場光学顕微鏡観察に必要な信号強度を得ることができると見積られた。 2.試料として用いる予定である有機シラン系の自己組織化単分子膜を製膜し、高い効率で可視一赤外光和周波数発生が起こることを確認した。有機シラン系単分子膜は、湿度等の周辺の影響を受けやすいためその製膜には細心の注意が必要である。我々はこの問題をグローブバックを用いることにより解決し、高い収率でその単分子膜を製膜することができるようになった。 以上の知見をもとに、次年度は有機超薄膜の微視的な構造を明らかにできるよう実験を進めていく予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)