微細加工エカンチレバ-を用いた近接光学プローブによる機能性有機薄膜の評価
Project/Area Number |
09241215
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 啓文 京都大学, 工学研究所, 助教授 (40283626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 俊寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (10238785)
夛田 博一 京都大学, 工学研究科, 講師 (40216974)
松重 和美 京都大学, 工学研究科, 教授 (80091362)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
|
Keywords | 有機強誘電体 / PVDF / ナノスケール分極領域 / 走査プローブ顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / SPM / AFM |
Research Abstract |
分子配向制御された有機強誘電体分子(P(VDF/TrFE)薄膜を原子的平坦さで堆積する技術を確立することを目的として、スピンコート法によるグラファイト基板上でのP(VDF/TrFE)薄膜形成過程を原子間力顕微鏡(AFM)で観察し、最適成膜条件を調べた。 スピンコート法で作製した薄膜は、その熱処理温度・時間に依存して全体的な表面形状が大きく変化する。熱処理初期過程では基板上に分子鎖が凝集して成長核が形成され、その後3次元成長が始まる。さらに熱処理を続けると、高さ10〜20nm、長さ100〜500nmの棒状のアイランドになる。基板が単層の棒状構造で覆われる場合、基板面内の特定方位に揃う棒状構造がしばしば見られた。これらの方位はグラファイト基板面の結晶方位に一致していることから、棒状結晶がエピタキシャル的に成長していると考えられる。2層目の棒状構造においては、配列は無秩序になる。 棒状結晶中の分子鎖が、どのような配向するかは、これまでの文献では報告されていないが、本実験による超高真空AFMによる表面形状像には、棒状結晶内部に約20nm幅の細かな縞状構造が存在することが確認され、高分子結晶に特有の高分子鎖の折り返し構造であることが示唆された。熱処理した薄膜試料のX線回折プロファイルは、(200),(110)の結合ピークを示し、β型の結晶であることが確認された。PowderのX線回析プロファイルと比べて、薄膜の(200),(110)のピークは0.5°ほどシフトしており、面間隔が小さくなっていると考えられる。 さらに、AFM探針にパルス電圧(-8V10秒あるいは+8V10秒)を加えて局所的な分極反転領域を形成し、その圧電振動応答を観察した。得られた分極領域の半径は100nm程度であり、測定された局所領域の圧電定数は10pm/Vであった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)