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¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
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Research Abstract |
ナノサイズ領域の非線形量子協同現象の解析のため,新しい解析法(γ密度解析)および新しい計算法の開発を行った.この計算法は,低次元分子集合体の光遅延効果を厳密に考慮した量子論的マスター方程式を数値的に厳密に解くものであり,光遅延効果を考慮することができ,計算量も従来の方法に比べて格段に少ないという利点を持つ.実際に,1次元2量体系に適用し,その基底状態および励起状態ポピュレーションの差,分極率,超分極率などの外場強度依存性を検討した.また,個々の分子の特性,分子配列の違い,外場振動数などに対する依存性の検討も行った.その結果,分子間距離が小さくなり,分子間相互作用が強くなると,外場強度依存性に転移が生じることが判明した.この結果,分極率および超分極率にも同様な転移状変化が生じることが判明した.また,各分子サイトが感じる電場の時間変化をプロットすることで分子間相互作用の変化を解明した.これら転移状変化は,励起状態でのポピュレーションの飽和と分子間の遅延効果によるものと考えられ,応用面では,光スイッチングの基礎物質になることも期待される.これらは,高精度量子化学計算をもとに行うことで,即,実在系にも適用可能と考えられる.現在,さらに大きなサイズ系の振る舞いおよび異なる次元性を持つ系にも拡張しているところである.以上の計算プログラムの開発,実行のために本科研費によって購入した計算機を使用した.
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