Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
近接場顕微鏡によるナノマシニングでは,加工対象物に応じて近接場顕微鏡に導入する光の波長,さらにはファイバープローブを適切に選択する必要がある。しかし,市販のファイバープローブではこれらの要求に十分対応することができない。そこで本研究では,ファイバープローブを作製する技術について開発を行った。ファイバープローブは,光ファイバーを炭酸ガスレーザーで局所的に加熱して引き伸ばすことにより作製する。この方法で,十分に鋭利な先端を高い再現性で得られるように,光ファイバーの前処理,加熱の強さ,引き伸ばす強さとタイミングなどについて検討した。それらの条件を変えて多数のファイバーを加工し,その先端形状や先端からの出力光のパターンを調べて,よりよい作製条件を探索した結果,使用に耐えられるようなプローブを高い再現性で得ることに成功した。さらに,この先端部の側面へアルミニウムを真空蒸着する研究も開始しており,今後実際に使用するファイバープローブを作製し,ナノマシニングに利用していく予定である。 これに加えて,市販のファイバープローブを用いて近接場顕微鏡によるナノマシニングを試みた。試料としてカバーガラス上に作製したポジ型フォトレジスト薄膜を用い,近接場顕微鏡により,400nm,633nm,800nmの光を線状に照射した。これを原子間力顕微鏡により観察したところ,400nm,633nmの光を照射した試料ではその部分に線状のパターンが観察された。その線幅は約150nmであり,通常のファーフィールド光の場合の原理的な限界(回折限界)よりも高い分解能が得られることが確認された。これに対し,800nmの光を照射した試料では何も観察されなかった。そのため,観察されたパターンは,プローブの先端とフォトレジストとの物理的な接触によるものではなく,照射した光,あるいは光によるプローブ先端の発熱により形成したものと考えられる。
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