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¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Research Abstract |
剪断機構と原子のシャッフリングを伴ったbcc-hcp変態あるいはbcc-fcc変態では,変態に伴う歪み緩和が起こるためにsemi-coherentな界面を形成することが知られている.semi-cogerentな界面が内包する応力の緩和過程で,界面・転位・点欠陥等が複雑に絡み合った相互作用の結果として組織が形成される.このような緩和を伴う複雑な機構や構造は,機械的性質や輸送現象を支配する重要な因子である.事実,実用材の鉄合金やTi合金はこれらの変態機構を利用して組織制御を行い,所望の機械特性を得ている. 本研究ではこのような複雑な原子の緩和をともなう現象を原子レベルから理論的に理解するのに非常に適したボンドオーダーポテンシャルをもちいて,Tiのbcc-hcp界面の緩和シミュレーションから相変態の素過程を理解することを目標に研究を開始した. 欠陥周辺の原子の相互作用は電子構造を忠実に再現することによって初めて可能である.バルク状態で求まっている電子構造を基に,TBパラメータの抽出を行い,現実のhcp,bcc-Tiをボンドオーダーポテンシャルが再現しているかどうかの検討を行う必要がある.TBパラメータはカノニカルバンド理論を基にLMTO-ASA計算から導出した.得られたパラメータを基礎にしたボンドオーダーポテンシャルは,平衡状態での電子構造と平衡状態近傍の物理的性質(凝集力,相安定性,体積弾性率,剪断定数など)を再現している事を確認した.
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