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¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Research Abstract |
結晶のc-TbFe_2を1MPaのH_2中で昇温して得られた示差熱分析(DTA)曲線には4個の発熱ピークが観察された。XRD,TEMおよびDSC実験により,第1と2のピークは,それぞれ水素吸蔵と水素誘起アモルファス化に起因することが明らかになった。第1ピークの直上まで昇温した試料の^<57>Feのメスバウアー曲線には鋭い2本の吸収ピーク(doublet)とブロードな6本の吸収ピーク(sextet)が見られた。第2ピークの直上まで昇温した試料のメスバウアー曲線ではアモルファスに特有なブロードなsextetが観察され,第2ピークがアモルファス化に起因することが裏付けられた。第3ピークの直上まで昇温した試料のメスバウアー曲線ではブロードなdoubletに重なってα-Feの非常に弱いsextetが見られた。XRD図形と対応させて,第3ピークはTbH_2の析出に起因すると結論された。第4ピークの直上まで加熱した試料のメスバウアー曲線は鋭いsextetを示し,α-Feのそれと一致した。したがって,第4ピークは残存するアモルファス相のTbH_2とα-Feへの分解によると結論された。また水素誘起アモルファス合金をAr雰囲気中でDTA分析して生成する発熱および吸熱ピークの成因を調べた。その結果,900-1200Kの広い温度範囲での水素放出に起因する吸熱ピークに重なって,水素化物の分解によって生じたTbとα-Feが発熱反応して再合金化が起こり,微細なTbFe_2が生成することが判明した。つまり,本合金系でもHDDR(Hydrogenation-Disproportionation-Desorption-Recombination)によるナノ結晶化が起こることが分かった。
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