Project/Area Number |
09242206
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幾原 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70192474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 健人 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (50005500)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ジルコニア / c-t相転移 / 微細組織 / ドメイン構造 / 変調構造 / 逆相位境界 / コンピュータシミュレーション |
Research Abstract |
本研究では、ジルコニアセラミックスのc-t相転移に伴う微細組織形成に対して、コンピュータシミュレーションを中心とした解析を行った。シミュレーションは、c-t相転移を二次転移と仮定したモデルを用い、time-dependent Ginzburg-Landau(TDGL)方程式の解を算出することにより行った。このシミュレーション結果は、ZrO_<2->Y_2O_3系で観察されるドメイン構造や、層状の変調構造等の特異な組織をよく再現しており、実際の現象の評価に有用なものであることが示唆される。 同様の手法により、実験的に困難であるt-ZrO_2単相領域での熱処理のシミュレーションを行ったところ、ドメイン構造の逆位相境界(APB)にY^<3+>イオンが偏析する傾向にあることが明らかになった。またAPBは、c-ZrO_2あるいはそれに近い構造を有しているものとして計算された。このことから、c-ZrO_2安定化効果のあるY^<3+>イオンがAPBの構造を安定化させるために偏析したものと考えることができる。このようなAPBへのY^<3+>イオンの偏析は、比較的広いt-ZrO_2単相領域を有するZrO_2-Y_2O_3-TiO_2系セラミックスのFE‐TEMによる実験結果とも符合した。また、ZrO_2-R_2O_3(R:希土類酸化物)系のc-t相分離をシミュレートした結果、より大ききなR^<3+>を添加した系の方が相分離速度が上昇する傾向にあることが示された。このような相分離速度の差異が組織形成に大きな影響を与えることは実験的にも報告されており、本研究によるシミュレーションと合致するものとなっている。
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