高速拡散系における相変態の走査型トンネル顕微鏡及びトンネルスペクトルによる研究
Project/Area Number |
09242235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小川 恵一 横浜市立大学, 大学院・総合理学研究科, 教授 (00233411)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | シリコン(111)面 / 金原子 / 表面再構成 / 相変態 / 走査型トンネル顕微鏡 |
Research Abstract |
Si(111)表面におけるAu原子の拡散と表面再構成 Si(111)表面は830℃以下で1×1から7×7構造へ相転移する。この7×7構造の表面を拡散するAu原子について走査型トンネル顕微鏡(STM)観察を行った。Si-Auの状態図によるとSi側にも、Au側にも個溶度はない。Si-Au系の共晶温度は370℃である。また、Si中のAu原子は高速拡散することが知られている。 Si単結晶試料(7×1×0.3mm^3)の長手方向の端面近くを片側だけ0.05mmφの金線で2回巻き付け、拡散試料とした。この試料をSTMのトリ-トメントチャンバー(真空度1.6×10^<-6>Pa)に入れ、650℃、15h通電加熱した。この熱処理で金線は溶解し、Au原子は試料の他端(金線の巻いていない方向)に向かって広がった。この試料に対して1200℃、10sのフラッシングを3回行った。Auのrichな領域からpoorな領域へ向けて、始めて連続的にSTM観察することができた。 Si(111)表面がAu原子で覆われる割合(被覆率θ)に従って、θの大きい方から順番にAu原子の表面配列(再構成)は6×6、√3×√3、5×2と移り、最後にAu原子の全くないSi(111)7×7が観察された。 バルクの場合と異なり、Au原子は表面再構成のドメインウォール(Au濃度がドメイン内に比べて大きい)や表面再構成構造に由来する原子溝に沿ってAuのrichな領域からpoorな領域へ拡散することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)