Project/Area Number |
09242240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
岩崎 博 立命館大学, 理工学部, 教授 (50005857)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 幸雄 立命館大学, 理工学部, 助教授 (10066699)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 相転移 / 放射光 / X線回折 / 異常散乱 / 位相問題 |
Research Abstract |
立命館大学に設置されている超伝導小型放射光源において中波長X線を用いる回折・散乱実験システムおよび吸収分光システムの建設を行った。前者では2結晶モノクロメータにより4keVから8keVのエネルギーの単色X線ビームを得ることができ、有機物単結晶試料によるプリセッシヨン回折図形の撮影によって光子密度が妥当であることを確認した。後者では1keVから4keVのエネルギーの単色ビームを湾曲ミラーにより集光し、さらに高い光子密度が得られるよう調整を行った。 回折・散乱実験システムにおいて有機物単結晶の構造相転移の研究を行い、その中で放射光の異常散乱現象を利用する新しい構造研究法、Wavelength Modulated Diffraction法を開発することに成功した。それは次のような内容である。X線の波長が結晶に含まれている原子の吸収端近傍の波長であるときその原子は異常散乱を起こす。上記の方法ではこの事に着目し、結晶のブラッグ反射の強度の波長による変化を測定し、それから得られる「波長勾配」を構造解析の基礎データとする。「波長勾配」を理論的にみれば結晶構造因子の2乗を波長微分したものであり、具体的には次のような形になっている。 ∂I(hkl)/∂λ=2∂f'_H/∂λ[{Σ^^z__<j=1>cosθ_j}A.(hkl)+{Σ^^z__<j=1>sinθ_j}B(hkl)] 結晶が対称中心を持つ場合、上の式でB(hkl)がなくなるので事情は単純になり、波長勾配の符号とA(hkl)の符号とに対応関係ができ、比例係数が既知であれば結晶構造因子の位相が決まることになる。この方法は従来から知られている同型置換法などに比べて適用がはるかに容易である。実際にFe原子を含む有機物単結晶に適用し、良い結果を得た。
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