Project/Area Number |
09243208
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 邦夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20010803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮澤 薫一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60182010)
市野瀬 英喜 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (30159842)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | カーボン60 / カーボンナノチューブ / 複合材料 |
Research Abstract |
本研究はこれまでせいぜいミクロン程度にどまっていた炭素系複合材料の作製をナノメートルレベルで制御し、粒界・界面の比率を飛躍的に高め、その性能を強調することで塑性変形能を備えた新しいタイプの複合材料の創製を狙いとする.本研究ではこれを達成させるためカーボン60とカーボンナノチューブ等の炭素系新物質を利用することを特徴としている.本年度は、カーボンナノチューブ強化カーボン60ナノ結晶複合材料創製の基礎として、短繊維材料として使用するナノチューブの高純度大量精製技術の検討を中心に、カーボン60マトリックスの熱処理による相変態とその力学的性質への影響について検討した.炭素アーク放電で作製した陰極堆積物から筋状に発達した組織を回収し、水系の分散剤中での超音波破砕、遠心分離を行った.酸化処理などを行わず物理的な手法のみで収率5%程度で約70〜90mass%の精製が可能であることが明らかになった.ナノチューブとカーボン60とを銀シースに充填し、線引加工後に熱処理によってシース部分を取り除いた試料はカーボン60単結晶の約20倍の強度と10%程度の伸びを記録した.熱処理によりマトリックス部分は非晶質化し硬化するがカーボン60分子自身の崩壊がおきているかどうかは明らかではない.また、試料の伸びはナノチューブとカーボン60の界面が室温で既に活性であるため.界面のせん断すべりを主な機構とする引抜変形が生じ、これが複合体の伸びに寄与している可能性がある.
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