Project/Area Number |
09244207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 不二雄 東京工業大学, 理学部, 教授 (30200083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 隆 東京工業大学, 理学部, 助手 (00272659)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
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Keywords | 希薄磁性半導体 / 2パルス干渉法 / 時間分解ファラデー回転分光法 / 共鳴非線形散乱法 / スピンダイナミックス / 量子井戸構造 / 量子箱構造 / フェムト秒光パルス |
Research Abstract |
磁性イオンを含む半導体においては局在磁性イオンと電子、正孔間の大きな交換相互作用により、巨大ファラデー効果などのスピンが関係した興味ある現象が観測できる。母体の半導体の次元を下げて量子井戸構造や量子箱構造を取らせたときに、量子閉じ込め効果により電子、正孔が磁性イオン間の相互作用がどのように変化し、かつ電子、正孔のダイナミックスに影響するかに興味を持って研究を行なった。まず磁性イオンを含まない低次元半導体の電子構造及びそのダイナミックスを共鳴SHG法などの新しいレーザー分光法を用いて調べた。その結果、GaP/AlP量子井戸の電子状態やCuCl量子点中の励起子ダイナミックスを明らかにした。次に磁性イオンを含んだ系であるZnMnSe、ZnTe/ZnMnTeでの励起子ダイナミックスの研究を行い、励起子とMn間の相互作用、エネルギー移動過程、輻射過程および次元低減化の影響を議論した。さらに、より直接的に電子、正孔が磁性イオン間の相互作用を調べる方法として有望であると思えるフェムト秒光パルスを用いた2パルス干渉法および時間分解ファラデー回転分光法の開発も試み、実際にZnSe、ZnMnSeやCdMnTeで励起緩和過程の研究にこれらの方法を使用した。また、GaMnAsの発光特性の研究も行った。 共鳴非線形散乱法、2パルス干渉法、時間分解ファラデー回転分光法などの新しい時間分解分光法の導入により、低次元希薄磁性半導体中のスピンダイナミックスを時間領域で直接測定する手段は整ってきた。エネルギー緩和、位相緩和情報のみならず、スピン緩和情報を加味して、希薄磁性半導体中のキャリアー・スピン相互作用を明らかにし、この系のスピン現象を解明することを来年度以降の目的とする。
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