半導体/磁性体複合構造における量子伝導現象の理論的研究
Project/Area Number |
09244211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井上 順一郎 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60115532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 禎通 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005973)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 半導体 / 磁性体複合構造 / 量子伝導現象 / トンネル抵抗 / 磁気抵抗効果 / クーロンブロッケイド / 共鳴トンネル効果 / スピン散乱 |
Research Abstract |
本研究では、強磁性トンネル接合における磁気抵抗に対する磁性不純物の効果、強磁性体を用いた二重障壁構造でのクーロンブロッケドの効果、非平衡系グリーン関数を用いたトンネルコンダクタンスに対する不純物散乱の効果、に関する成果が得られた。 強磁性トンネル接合の障壁層内に磁性不純物が存在すると、トンネル電子はそれらと相互作用する。その結果トンネル電子のスピン反転が生じる。磁気抵抗に対するこの効果を調べるため、トンネルハミルトニアンを用いて、二次摂動により磁気抵抗率の表式を求めた。その結果、トンネル電子と磁性不純物のs-d的相互作用は磁気抵抗効果を減少させることが明らかになった。 強磁性トンネル接合が微小となってくると、トンネル電子に対する帯電効果を無視することができなくなる。クーロンブロッケードが十分有効に働く場合には、電子はリアルな過程ではトンネルできず、仮想過程を介してトンネルすることになる。(Cotunnelingの機構)この機構によるトンネル磁気抵抗効果の公式を導き、磁気抵抗比に対するクーロンブロッケードの効果を調べた。その結果、磁気抵抗比がおおよそ2倍に増強されることがわかった。 Keldyshの非平衡グリーン関数を用いて、金属/絶縁体/金属トンネル接合系における伝導度に対する絶縁障壁中に存在する不純物の影響を数値的に調べた。有限電圧が加えられた場合、共鳴トンネルによるコンダクタンスのピークは温度による効果と同様ブロード化した。しかし、単一不純物が存在した場合のピークは有限温度によるピーク形状の変化と全く異なり、テラス状のピークとなることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)