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¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
触媒に用いる中心金属の選定 温和な条件下でアンモニウムイオンの湿式酸化に有効な触媒を開発するために,Al_2O_3に担持した各種貴金属及び遷移金属触媒を調製し,その湿式酸化挙動を調べた。その結果,触媒の反応活性と選択性はその金属種の酸素との親和力と関係があり,適度な強さの酸素親和力を持つ金属種(特に,Ru,Pd)がアンモニア酸化の反応活性と選択性が高いことを見出した(Figure 1)。さらに,4.3wt% RuO_2/Al_2O_3 2.1gを用いて,1500ppmのアンモニウムイオンを除去するために必要な反応条件を調べた結果,反応温度180℃,pH=12,空気圧力1.5MPa,反応時間2時間の操作条件下でアンモニウムイオンを99%以上除去できることがわかり,反応条件を従来より緩和することができた。 反応機構の検討 RuO_2/Al_2O_3存在下,アンモニウムイオンの分解速度の反応物濃度依存性を求めた。反応速度式は触媒表面上で二つの吸着種の反応が律速階段であると仮定したラングミュアー-ヒンシュルウット反応機構で整理できた。453〜483Kの温度範囲での見かけの活性化エネルギーとアンモニアの吸着熱はそれぞれ52及び48kJ mol-1であった。アンモニウムイオンの湿式酸化反応は窒素生成の主反応と硝酸イオン生成の副反応から成っている。窒素への選択性はpH,空気圧力及び触媒充填量等の値を高く設定すると,低下したが,温度を高くすると向上した(Figure 2)。さらに本研究で新たに提出した反応schemeに基づいて硝酸イオン生成のモデル反応機構を検討し,反応条件の違いによる選択性の違いを解釈した。 担体効果 ルテニウム触媒の担体効果の検討並びに各触媒のキャラクタリゼーションを行なった。異なる担体を有するルテニウム触媒のBET比表面積,室温でのアンモニア及びCO吸着量を測定した。更に,XPSによる反応前後のルテニウムの電子状態を分析した。その結果,担体によって,担持されたルテニウムの酸化状態が異なることが見出された。反応条件下でより低い酸化状態のルテニウムを有する触媒系がアンモニアの酸化に活性,選択性とも高いことが分かった。
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