Project/Area Number |
09247216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
片山 新太 名古屋大学, 農学部, 助教授 (60185808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
よし田 重方 名古屋大学, 農学部, 教授 (20023450)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | 農畜産リサイクル / 肥飼料成分 / 農耕地土壌 / 窒素バランス / リンバランス / カリバランス |
Research Abstract |
農畜産業は、高生産性を目指して大規模化・高集約化してきたが、同時に家畜ふん尿による環境への負荷を高めている。対策として、家畜ふんを堆厩肥として耕地に還元することが試みられている。本研究では、家畜ふん厩肥を土壌施用した際の肥料成分の耕地系外への流出及びそれを最少にする土壌の厩肥受入れ可能容量を推定することを目的とする。研究1年目の本年度は、名古屋大学農学部附属農場を対象とし、(1)資材の流入・流出量の解析と、(2)家畜ふん厩肥施用土壌における肥料成分(窒素)の動態解析を行った。 農業資材の流入は、主に濃厚飼料と化学肥料の購入によるものであった。生産物による流出は、牛乳及び穀類によるものが多かった。各成分の流入量と流出量の差を農場内に残留するかその周辺環境へ負荷される量とみなすと、窒素、リン酸、カリのいずれも80%以上が環境負荷となっていることが示された。家畜ふんは、厩肥化した後、露地畑および施設栽培地に還元され、牛の尿はパイプラインにより放牧地に散布している。窒素は、厩肥化過程における損失や、放牧地あるいは畑からの放出によって環境に負荷を与えていることが示された。1987年に開設した厩肥連用圃場を対象に、1997年までの10年間の平均的窒素収支を明らかにした。厩肥施用圃場では、土壌窒素が増加しているが、窒素の環境負荷量も厩肥の施用量の増加に伴い増加し、施肥窒素量の40%以上が環境へ流出することが示された。 以上により、畜産業から排出されるふん尿を堆厩肥として用いる場合、堆厩肥とする過程と土壌に還元する過程の2箇所で、窒素が環境へ放出されることが明らかにされた。今後、この環境負荷の実態を明らかにするとともに、窒素収支の経年的変化を明らかにする予定である。
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