Project/Area Number |
09247239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
高崎 みつる 石巻専修大学, 理工学部・生物生産工学科, 助教授 (90163188)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ゼロエミッション / 水産 / 加工製品 / 現状 / フロー解析 / 笹かまぼこ |
Research Abstract |
研究目的 水産加工製品(笹かまぼこ)の製造過程で発生するエミッションを、製品加工工程ごとに捉えるとともに、その質的特徴を把握することは現行エミッションの質的転換や、エミッション削減を考えていく基礎データとして大切になっていく。本研究は水産加工製品のエミッションを巡る最適な将来像を考える上で必要な現状の把握と、現行の再資源(飼料/肥料)化過程の現状把握とを通し、生産プロセスに関わるエミッションの量的、質的特徴を調査に基づき考察したものである。 研究方法および成果 石巻市の主要な水産加工製品である「笹かまぼこ」製造工程から発生するエミッションを評価するため、原料から製品に至る過程の物質フローとエミッションの質的内容に関して調査を主体とした分析に基づき検討した。その結果原料となる魚の種類や大きさによって異なるが、おおむね製造工程に従う原料の減少分=発生エミッションについて、次のような量的変化を認められた。 原料(100%)→1次処理(頭切り落としと肉採り):減量約50%→水さらし&さらし仕上げ:減量約25〜30%→1次製品すり身=原料魚の18〜25% しかし、質的側面から各工程毎の評価に行うことは難しく、図1、表1に示すように工場全体から排出されるエミッションについてもその変動は大きかった。そこで水産加工団地全体からのエミッション評価を行った。 工場からのエミッションは水産加工排水処理場へ流れ、挟雑物除去(スクリーン)水溶性タンパク&油分除去(浮上分離)生物処理(長時間活性汚泥処理)が行われる。各処理過程から排出されるエミッションは、スクリーン挟雑物を除き、処理に多大な時間とエネルギーが必要となる。表2〜表5に現行浮上分離汚泥(スカム/フロス)の再資源化工程毎のエミッションの量的変化と質的変化を示す。鯖が主体の廃水受け入れ時、浮上分離汚泥約8トンから最終的に油760kgと飼料45kgを得られるが、約7.1トンの残りは1/8〜1/10に煮つめられ主に肥料として引き取られている。一方、生物処理汚泥は食品成分試験法に従う粗タンパクを45〜47、発酵後48〜51%程度含んでいた。 業種の特徴として製品化される部分が原料の1/5程度と著しく少なく、発生するエミッションも大きい。また、原料の輸入化が進み約8〜9割が輸入となっている。エミッションの削減や国土への負荷削減を考えると、1次製品輸入や船上処理の促進が最も効果的であろう。しかし、沿岸水産関連従事者の生活や我が国の本質的な食料問題を考えると、他の産業からのエミッション転換の可能性なども考慮し、現行処理のうち、効率の悪い部分を沿岸魚の増産や生息環境保全に結び着く方向で考える必要もある。
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