Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
施肥窒素の種類が異なる飼料畑土壌と茶園土壌を用い,家畜排泄物由来の窒素肥料(液状きゅう肥)や有機質肥料の施用が硝化能に及ぼす影響を検討しアンモニア酸化菌の分離と同定を行った。家畜スラリー(液状きゅう肥)の施用が続けられている飼料畑(トウモロコシ畑)の土壌を用いて,家畜スラリーが硝化に及ぼす影響を検討した。家畜スラリーの施用により飼料畑土壌の全炭素,全窒素,バイオマスの値が大きくなる傾向が認められた。一方,硝化能は無施用区に比べ家畜スラリー施用区が高く施用量に比例していた。過剰な家畜スラリーの施用は硝化能を促進することから,硝酸による地下水汚染を引き起こす危険性を持つと考えられた。飼料畑土壌をアンモニア酸化菌用の培地に懸濁し振とう培養しアンモニア酸化菌を分離した。この菌体から染色体DNAを調製し真正細菌に特異的なプライマーを用いて16SrDNAを増幅した。この増幅した16SrDNAをテンプレートとしてβサブデイビジョンのアンモニア酸化菌またはNitrosospira属に特異的なプライマーを用いてNested PCRを行った。飼料畑土壌から分離したアンモニア酸化菌はNitorosomonas属と考えられた。茶園土壌においても同様に調べたところ,茶園土壌のアンモニア酸化菌はNitrosolobus属と推定された。このことから,国内の農耕地土壌には多様なアンモニア酸化菌が存在していると考えられた。 輸入窒素量が多い我が国では窒素の再利用が必要不可欠であり,この点からも環境への影響に配慮した早急な有機肥料の施用基準の策定が望まれる。
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