Project/Area Number |
09250209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹田 潤二 大阪大学, 医学部, 教授 (50163407)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 発作性夜間血色素尿症 / GPIアンカー / PIG-A / 血液幹細胞 / Cre / loxP / 優位性獲得 |
Research Abstract |
後天性に血液系のみで起こる難治性の発作性夜間血色素尿症(PNH)は溶血を主徴とする疾患である。その溶血は赤血球上に存在すべき分子である補体制御蛋白の欠損に起因する。膜蛋白である補体制御蛋白は、膜に特殊な糖脂質(GPI)でアンカーしておりPNHの本態はGPI-アンカー生合成不全である。我々はGPI-アンカー生合成に関わっている遺伝子、PIG-Aのクローニングに成功しその遺伝子がPNHの病因遺伝子でありその異常が血液幹細胞にあることを突き止めた。Pig-a(マウスPIG-Aホモログ)をES細胞で破壊し、キメラマウスを作成した。キメラマウスを観察するとPNHで特徴的な異常クローンの増大がみられず完全なPNHのモデルマウスになっていなかった。しかし6匹中1匹のマウスで生後一年頃より異常クローンの増大が観察されたので、我々はこのマウスにおいてPig-a変異以外の新たな変異が起き異常クローンの増大が引き起こされたと解釈した。 異常クローンの増大が6匹中1匹で観察されたにすぎないのでその母集団をもっと増やし(〜50匹)再実験し、第二の要因がどれくらいの頻度で起こるかまず検討することにした。通常のキメラマウス作成法ではGPI-アンカー陰性血液細胞を有するキメラマウスの誕生する率が非常に悪いし(〜1%)、そのキメリズムも一定しないので、Cre/loxPシステムを利用したコンディショナルノックアウトの手法を採用しキメリズムのそろったマウスを多数作成した。具体的にはX染色体上に存在するPig-a遺伝子にloxP部位を導入したマウス(Piga-loxP)を作成し、胎生初期よりCreリコンビネースを発現できるhCMV-Cre(A.Nagy博士供与)と交配した。Piga-loxP(+/-),hCMV-Cre(+)の雌マウスは、胎生18日まで生存し、その個体でPig-a遺伝子がCreの発現依存性に破壊されていることが確かめれた。この胎児の肝臓(胎生期の造血の場)からGPI-アンカー陰性骨髄幹細胞を精製し、致死量の放射線照射したマウスへ移入し、GPI-アンカー陰性血液細胞を有する骨髄キメラを多数作成した。現在、骨髄キメラマウスでも、高頻度にクローン増殖性を起こるかどうかを解析中である。
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