Project/Area Number |
09250210
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小守 壽文 大阪大学, 医学部, 助手 (00252677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松梨 達朗 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
佐々木 浩一 大阪大学, 医学部・付属病院, 医員
谷 慶彦 大阪大学, 医学部, 助手 (10252652)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 骨形成 / 骨芽細胞 / 転写因子 / ノックアウトマウス / ラントドメイン遺伝子ファミリー / 鎖骨頭蓋異形成症 |
Research Abstract |
急性白血病の原因遺伝子と考えられるCBFA2/PEBP2αB/AML1はショウジョウバエの体節形成遺伝子中のペアルール遺伝子の一つruntにホモロジーを持つruntドメイン遺伝子ファミリーに属する転写因子である。我々は、このruntドメイン遺伝子ファミリーの機能をノックアウトマウスを作製することにより解析してきた。そして、その一つCbfal/Pebp2αAが、骨芽細胞の分化を支配する遺伝子であることを初めて明かにした。 骨は2つの様式により形成される。一つは内軟骨性骨化で、軟骨が形成された後に骨に置き換えられていくもので、長管骨等の形成がこれにあたる。もう一つは膜性骨化で、未分化間葉系細胞より分化した骨芽細胞から、軟骨を経ず直接骨が形成されるもので頭蓋骨等に見られる。Cbfal/Pebp2αAのホモ変異体では、内軟骨性骨化も膜性骨化も完全に欠損していた。これは、骨芽細胞がその前駆細胞の段階で分化が止まっているためであった。すなわち、Cbfal/Pebp2αAが骨芽細胞の分化に必須な転写因子であることが明かとなった。 ヘテロ変異体では、鎖骨、頭蓋骨の低形成および頭蓋縫合、泉門の開大が見られ、これらの表現型は、ヒトの常染色体優性遺伝疾患である、鎖骨頭蓋異形成症に類似した。鎖骨頭蓋異形成症の原因遺伝子は、6p21にあると推定され、これは、ヒトのCBFA1/PEBP2αAの座位と一致しており、我々の結果は、CBFA1/PEBP2αAが鎖骨頭蓋異形成症の原因遺伝子であることを示した。 Cbfal/Pebp2αAが、骨形成、特に骨芽細胞の分化に必須の転写因子であることが明らかとなり、未分化間葉系細胞より骨芽細胞への分化を支配する遺伝子の一つとして初めて位置づけられた。
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