Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Research Abstract |
本研究では,葉緑体DNA結合タンパク質が,葉緑体形成の細胞核による制御の主要な情報伝達体となっているという立場から,以下の問題を明らかにした。 1.PENDタンパク質の性質と細胞内分布 エンドウの未展開葉から,プラスチド包膜のDNA結合タンパク質であるPENDタンパク質を精製し,そのcDNAクローンとして,PD2を単離した。GST-PD融合タンパク質を用いて,SELEX法によりDNA結合特性を調べたところ,CA,GTというジヌクレオチドを多く含む配列と結合することがわかった。また,エンドウのプラスチドDNAのうちの約170塩基対の領域が,PENDタンパク質と特異的に結合することを確認した。この領域には,上述のCA,GT配列が数多く含まれており,これらの配列がPENDタンパク質の結合ターゲットになっていることが推定される。 2.PD3の器官特異的プロセッシング AT-hookタンパク質であるPD3(1629アミノ酸残基)がコードするタンパク質を検出するため,新たにペプチド抗体を作成し,ウェスタンブロットにより調べなおした結果,葉緑体の場合,N末端側の130kDaのポリペプチドと,C末端側の,約55kDaのポリペプチドが検出された。また,エンドウとレンゲの根粒についてもウェスタンブロットを行ったところ,PD3の末端側に対する抗体と反応する約60kDaのポリペプチドだけが検出され,C末端側に対する抗体と反応するポリペプチドは検出されなかった。この結果は,根粒でもPD3遺伝子が発現しているものの,PD3タンパク質のプロセシングが異なっていることを示している。
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