デフィニティブな造血発生における、PEBP2・c-Myb転写因子の相互作用の解析
Project/Area Number |
09253203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
仁木 賢 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60241626)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
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Keywords | 転写因子 / AML1 / PEBP2β / CBFβ / AGM / 造血 / 遺伝子ターゲティング |
Research Abstract |
哺乳類の造血能の発生はマウスの場合、先ず胎齢7.5日に卵黄嚢にてプリミティブな造血細胞が出現し、これは一過性に終息する。次いで11.5日齢に肝に、デフィニテイブな造血細胞が出現して、これが一生にわたる造血を担う。近年、デフィニティブな造血前駆細胞は卵黄嚢よりは遅く、しかし肝よりは早く、AGM(aorta,gonad and mesonephros)領域に発生することがE.Dzierzakらにより示された。一方東大・分生研の宮嶋らは、11.5日齢のマウス胎仔のAGM領域を細胞培養することにより、血球細胞をin vitroで発生・増殖できる系を開発した。本研究ではこの系を用いることにより、培養細胞中のAML1及びPEBP2β/CBFβ蛋白の発現、更にこれら遺伝子の欠損による血球細胞産生への影響につき解析した。AML1、PEBP2β/CBFβ遺伝子は、ヘテロ2量体として機能するPEBP2/CBF転写因子の各サブユニットをコードする。また両遺伝子ともに、マウス胎仔肝におけるデフィニティブな造血能の発生に必須の機能を担うことが知られている。先ず遺伝子変異のないAGM培養下に出現する(血球を含む)大部分の細胞で、AML1、PEBP2β/CBFβ蛋白の陽性染色像が観察された。一方AML1(-/-)やPEBP2β/CBFβ(-/-)のAGM培養系においては、血球細胞は全く出現しなかった。また各遺伝子につき(+/-)であるAGM培養系では、得られるCFU-C活性が野生型に比べ著明に減少していた。以上の観察から次の2点が結論された。即ち、1)近年我々を含めて報告したAML1(-/-)またはPEBP2β/CBFβ(-/-)胎仔肝におけるデフィニティブな造血の欠如は、本来なら肝に先行してAGM領域に局在するはずの、造血前駆細胞の傷害によるものである。2)AGMにおける造血前駆細胞の発生・増殖は、PEBP2/CBF転写因子の両サブユニットの量に依存する。なおc-Myb転写因子の機能については、c-myb(-/-)のAGM培養を現在行っており、検討中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)