Project/Area Number |
09253217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
平岩 厚郎 名古屋大学, 医学部, 助手 (80238336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 正英 (財)阪大微研, 観音寺研, 副理事 (70029776)
藤田 雅俊 愛知県がんセンター研, ウイルス部, 研究員 (30270713)
松本 義也 名古屋大学, 医学部, 助教授 (80239128)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス16型 / PDZドメイン / トランスフォーメイション / hDLG / E6蛋白 / ウイルス発癌 |
Research Abstract |
われわれはヒトパピローマウイルス16型のE6蛋白が癌抑制遺伝子産物p53蛋白の機能を阻害する機構とは別機構を介しても細胞癌化に関与している可能性に注目し、E6蛋白C末端に大腸癌関連のAPC蛋白などと同様のアミノ酸配列モチーフがあり、これを介してショウジョウバエ癌抑制蛋白のヒトホモログであるhDLG蛋白質などのPDZドメインと結合すること、この結合活性がラット3Y1細胞のトランスフォーメイションに必須であることを最近明らかにした。本年度はE6蛋白の種々の生物活性のなかで、どの活性がC末端モチーフ依存し、どの活性がp53分解能に依存しないかを明らかにし、さらにC末端モチーフに依存するのものについては、その宿主細胞側標的蛋白の同定をめざし検討を加え以下の諸点が明らかになった。1.E6C末端モチーフに変異をもつ蛋白は、変異の結果PDZドメイン結合能を喪失したものでも、野性型E6と同様にp53蛋白分解能を有する。2.p53分解能を欠失しているがC末のPDZドメイン結合能を保存したE6変異蛋白を3Y1細胞に発現させても、3Y1細胞はトランスフォームする。3.1,2から3Y1細胞へのトランスフォーム活性はE6のPDZドメイン結合能に依存するが、p53分解能には依存しないと結論づけられる。このトランスフォーメイションの生成機構としてはE6が3Y1細胞のDLGなどのPDZドメインを有する蛋白に結合してこれを中和することによると想定されるので、E6でトランスフォームした3Y1細胞にhDLGを導入してトランスフォーメイションが解除するかどうか検討したが、導入を受けた細胞は増殖が悪く実験目的を達成できなかった。今後PDZドメインを有する蛋白のいずれがこの系での細胞側標的蛋白であるかの検討を続ける必要がある。4.E6蛋白を発現させるとヒト角化表皮や乳腺上皮細胞の寿命が延長するが、E6のC末をPDZドメインとの結合能を失うよう変異させた変異E6蛋白を発現させても細胞寿命は延長したのでこの活性はE6C末端モチーフに依存せずp53分解能に依存していると想定される。
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