ヒトパピローマウイルスによる発がんに関する細胞側遺伝子の研究
Project/Area Number |
09253229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
羽倉 明 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00029779)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 一吉 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (40273700)
井上 寛一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (30176440)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | ヒトパピローマウイルス / トランスフォーメーション / がん抑制遺伝子 / src遺伝子 / アポトーシス |
Research Abstract |
我々はヒトパピローマウイルス(HPV)やラウス肉腫ウイルスなどによるtransformationが初代培養細胞との融合実験により抑制されることを明らかにしている。本研究は初代培養細胞中に存在する抑制因子の単離とその機能解析を通してがんウイルスによるがん化機構を明らかにすることを目的としている。 HPVなどウイルス性がん遺伝子によるtransformationに関与する細胞側遺伝子の検索と機能解析を行い、以下の諸点を明らかにした。 1 HeLa細胞の腫瘍原性を抑制する遺伝子候補として分離したASY(AF337)遺伝子はHeLa細胞に非常に効率よくapoptosisを誘導する。一方非腫瘍原性細胞での誘導能はHeLa細胞に比べて低い。 2 src遺伝子などの発現によって遺伝子発現がdownregulateされるdrs遺伝子のヒト組織での発現は組織特異性を示し、大腸ではmRNAの強い発現が認められる。しかし大腸由来のがん細胞株で強い発現抑制が認められた。また、drs遺伝子は大腸由来のLoVo細胞の増殖を抑制した。 3 子宮頚がん由来細胞でmRNA発現が著しく低く、細胞増殖抑制能をもつsyndecan-1について、増殖抑制のメカニズムと子宮頚がん由来細胞におけるmRNA発現低下の機構について解析し、子宮頚がん由来細胞の増殖抑制にはsyndecan-1の細胞内領域は必要なく、syndecan-1の3'UTRが子宮頚がん由来細胞における発現減少に関わっていることを明らかにした。 4 初代培養細胞(ラット)で特異的に発現している遺伝子の分離を試み、55種類の遺伝子を分離した。このうち18種類は既知遺伝子であった。分離した既知遺伝子中がん化との関係が調べられていないPSGI-3(lumican)およびPSGII-2(OSF-2)はv-K-rasなどによるtransformationを抑制した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)