Project/Area Number |
09253248
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥田 司 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30291587)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | AML1 / PEBP2 / 白血病 / 造血幹細胞 / 転写因子 / がん遺伝子 / 遺伝子ターゲティング / ES細胞 |
Research Abstract |
AML1は、ヒト白血病における染色体転座の最も高頻度の標的遺伝子であり、造血発生制御に関与する転写調節因子をコードする。当該研究では、その機能の分子メカニズムについてin vitro実験系を構築することにより検討し、以下の結果を得た。 1.野生型マウスES細胞をin vitroで胚様体へと分化させるとその中に造血前駆細胞が出現してくる。一方、相同組換えによって作成したAML1欠損ES細胞を用いると、胚型赤血球系前駆細胞は検出されるものの成体型の造血コロニー形成細胞は生じないことが明らかにされた。すなわち、成体型造血の欠失によって胎生期死亡するAML1欠損マウス個体の表現型をin vitroで忠実に再現しうる実験系をここに構築した。 2.この系を用いてAML1の有無と各種遺伝子発現との関連を検討したところ、GATAやLMO2など胚型造血に関与する遺伝子群の発現はAML1欠損ES細胞由来胚様体においても保持されていた。また、c-mybやPU.1などのように成体型造血と関わりをもつ遺伝子群や、c-fmsやMPOなどの既知のAML1による標的遺伝子群の発現も検出可能であった。一方、G-CSF-Rの発現の欠失が認められたが、既報のG-CSF-R欠損マウスでは顕著な造血障害は記載されておらず、この遺伝子発現の欠如をAML1欠損による表現型の原因とは考え難い。これらの結果は、AML1による造血発生制御には未同定の標的遺伝子(群)を介している可能性を示しているものと思われた。 3.AML1欠損による表現型をレスキューしうるか否かを検討する目的で、AML1欠損ES細胞にマウスAML1cDNAをPGKプロモーター制御下に発現させる実験系を構築した。 現在、これらの実験系を利用してAMLの新たな標的遺伝子の探索やAML1変異体の生物学的機能解析を進めている。
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