Rasガン遺伝子産物のチロシンキナーゼによる活性化機構多様性に関する研究
Project/Area Number |
09253249
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
黒崎 知博 関西医科大学, 医学部, 教授 (50178125)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥4,800,000 (Direct Cost: ¥4,800,000)
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Keywords | EGFR / BCR / Ras / ERK / JNK / Grb-2 / Shc |
Research Abstract |
レセプタータイプのチロシンキナーゼ、例えばEGFR、はRas癌遺伝子産物を活性化するために、アダプター分子としてGrb-2,Shcを用いていることが示唆されていた。しかしながら、どちらの分子を主として用いるのか、又2つの分子の複合体が要求されるのか。更に細胞内チロシンキナーゼ(PTK)を用いてシグナル伝達を行うレセプター、例えばBCR(B細胞抗原受容体)はRasを活性化することが知られているが、EGFRと同様の機構を用いてRasを活性化するのかどうか明らかにされていなかった。 EGFR,BCRシグナルに於けるGrb-2,Shcの機能を、Grb-2,Shc欠損B細胞を樹立することにより検定した。Grb-2はEGFR依存性Rasの活性化に重要な役割をしているが、Shcは直接的には関与していないことが判明した。しかしながらShcはEGFR依存性JNK活性化に必須の役割をしていることが明らかになり、EGFRシグナルの研究に新規の展開を与えるものである。 BCRシグナルに於いては、Grb-2はRas活性化に要求されるが、それに引き続いて生じるERK活性化には、PKCとの協調作用が必須であることが明らかになった。このことは、EGFR,BCRのシグナル伝達機構の差異を示すものであり、B細胞の分化・活性化がBCR,EGFR typeのレセプターであるc-kitにより制御されていることを考えるあわせると、この知見はB細胞の生物学的反応を理解する上で重要である。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)