Ras/MAPKシグナルを抑制し、アポトーシスを誘導する新しい分泌性蛋白質
Project/Area Number |
09254204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡野 栄之 大阪大学, 医学部, 教授 (60160694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤本 和延 大阪大学, 医学部, 助手 (90282350)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥4,000,000 (Direct Cost: ¥4,000,000)
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Keywords | ショウジョウバエ / 複眼 / 分化 / アポトーシス / Ras / MAPK / Argos / EGF受容体 |
Research Abstract |
トランスポゾンP因子を利用した形質転換法により、複眼特異的にArgosを過剰発現するトランスジェニック系統GMR-argosを作成した。走査型電子顕微鏡で観察したところ、個眼の配列の異常および数の減少が認められた。複眼内部を解析した結果、個眼を構成する光受容細胞・コーン細胞・色素細胞の数が野生型よりも減少していることが明らかになった。このArgosによる細胞の減少は、細胞分化の異常によるものではなく、発生後期における過剰な細胞死によって生じたものであることが判明した。さらにこの細胞死は、p35・DIAP1・DIAP2の共発現によって有意に抑制された。これらの結果よりArgosの過剰発現による細胞死は、カスパーゼが関与するプログラム細胞死であるものと考えられた。さらに、蛹期の後期に活性変異型Ras蛋白質を発現させたところ、コーン細胞の細胞死が有意に抑制されたことから、Argosによる細胞死はRasシグナルの細胞死抑制機能の低下によるものであると考えられた。さらに、headi nvolution defectiveの過剰発現による細胞死がMAPKK及びMAPKの機能亢進型変異によって抑制されたことより、Ras/MAPKカスケードのシグナル伝達はプログラム細胞死を負に制御し生存を維持する機能を有することが明らかになった。ArgosによるRas/MAPKシグナルの抑制および細胞死誘導の過程には未知の分子が関与している可能性がある。これら未知の分子の同定を目的として、GMR-argosの表現型を変化させる新しい変異体の遺伝学的スクリーニングを行った。現在までに約50,000の個体をスクリーニングし有意な効果を示す系統を複数同定し、マッピングの作業を進めている。また、Argosの機能をさらに詳細に解析するために生化学的解析に着手した。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)