細胞の増殖・分化におけるイノシトールリン脂質3キナーゼの役割
Project/Area Number |
09254209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (60212122)
櫨木 修 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (80142751)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | イノシトールリン脂質3-キナーゼ / チロシンリン酸化 / G蛋白質 / インスリン受容体 / 化学遊走因子受容体 / 細胞内シグナル |
Research Abstract |
イノシトールリン脂質(PI)の3位水酸基をリン酸化する2量体型PI3-キナーゼ(PI3-K)は、その調節サブユニットに存在するSrc homology 2(SH2)領域を介して増殖因子受容体あるいは非受容体型キナーゼによってチロシンリン酸化された基質蛋白質と結合し、活性化される。先に申請者らは、真菌代謝産物のワ-トマニンがPI3-Kを特異的に阻害すること、また好中球での走化性因子に応答した活性酸素産生など、G蛋白質連関型受容体刺激を介する速い細胞応答にもPI3-Kが関与することを見い出した。本研究では、2種の細胞膜受容体ファミリー、すなわちチロシンキナーゼ型とG蛋白質連関(7回膜貫通)型という異なるタイプの受容体刺激によって相乗的に活性化されるPI3-Kについて検討し、以下の知見を得た。1、インスリンと走化性因子の受容体を発現させたCHO細胞では、両受容体刺激による相乗的なPI3-Kの活性化が観察され、この増強作用は膜ラッフリングの増大を伴った。2、ラット肝臓より種々のタイプのPI3-Kを精製して検討を加えた結果、チロシンリン酸化ペプチドとGβγによって相乗的に活性化されるPI3-Kは、その触媒サブユニットがβタイプである2量体ファミリーと推定された。4、この酵素化学的特性は、COS細胞に種々のタイプのPI3-K遺伝子を導入した解析結果からも確認された。5、PI3-K調節サブユニットのSH2領域に結合するアダプター蛋白質として、受容体刺激でチロシンリン酸化される癌遺伝子産物p120^<c-cbl>と新規の100-kDa蛋白質を同定した。さらに後者の100-kDa蛋白質は、G蛋白質連関型受容体刺激によりそのセリン/スレオニン残基がリン酸化された。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)