c-kitレセプターチロシンキナーゼの恒常的活性化と腫瘍原性に関する研究
Project/Area Number |
09254234
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学部, 教授 (20177489)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
|
Keywords | c-kit / チロシンキナーゼ / 活性化変異 / 腫瘍 / stem cell factor |
Research Abstract |
c-kitレセプターチロシンキナーゼ(KIT)は、造血幹細胞、マスト細胞、生殖細胞、色素細胞や消化管カハール介在細胞に発現されており、これらの細胞の増殖・分化に極めて重要である。一般に、KITのチロシンキナーゼ活性はリガンド(stem cell factor:SCF)依存性に活性化される。しかし、我々はc-kit遺伝子にリガンドからの刺激がなくても恒常的に活性化する変異が存在することを見い出した。c-kit恒常的活性化変異は、kinase領域とjaxtamembrane領域に認められているが、造血器疾患ではkinase領域のAsp814コドン(ヒトではAsp816に対応)が恒常的活性化変異のhot spotであり、マスト細胞増多を伴う骨髄異形成症候群や骨髄線維症、aggressive mastocytosis、急性骨髄性白血病患者から検出されている。一方、jaxtamembrane領域のc-kit活性化変異は、消化管のペースメカ-を担っているカハール細胞由来のヒト消化管ストローマ腫瘍から高率に検出されることが明らかとなった。jaxtamembrane領域のc-kit活性化変異では、恒常的にKITの二量体化が生ずるが、kinase領域の恒常的活性化変異によるKITの恒常的活性化や増殖シグナルには細胞外領域は必須ではなかった。しかし、kinase領域変の変異KITもモノマーとしては作用せず細胞内領域における二量体化が必要であった。また、野性型KITならびに恒常的活性化変異KIT^<Val814>の細胞内領域のTyr残基をPheに置換したミュータントを作製し検索すると、恒常的活性化変異KIT^<V814>による細胞増殖や腫瘍化にはkinase insert部のTyrを介したシグナルが重要であることが明らかとなった。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)