Statシグナル伝達系調節機構とStatの癌化における役割の解明
Project/Area Number |
09254235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中嶋 弘一 大阪大学, 医学部, 助教授 (00227787)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,500,000 (Direct Cost: ¥2,500,000)
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Keywords | STAT / Stat3遺伝子 / CDKインヒビターp19^<INK4D> / IL-6応答領域 / H7-感受性キナーゼ / IL-6 / gp130 / 増殖・分化 |
Research Abstract |
サイトカインなど細胞外因子シグナルによる増殖分化決定にJak-STAT伝達系が重要である。v-srcなどのオンコジーンもSTAT3を構成的に活性化することが知られており、STAT3の生理的役割に加え、癌化における役割も解明すべき問題である。本研究はSTAT3の活性化機序、生理的役割および癌化における役割を詳細に解明することを目的としている。細胞外因子シグナルを核に伝達するJak-STAT伝達系の調節機構、作用機序を解析し、以下の諸点を明らかにした。1.IL-6により増殖停止し分化するM1細胞において、CDKインヒビターp19^<INK4D>とStat3遺伝子そのものが、STAT3の作用を知る上で重要なSTAT3下流遺伝子群であることを明らかにした。特にStat3遺伝子についてはプロモーター解析を行い、Stat3遺伝子がSTAT3とCRE結合蛋白からなる複合体により活性化されることを明らかにした。この自己活性化ループがM1細胞でみられる持続的STAT3活性化機序のひとつと考えられた。2.STAT3C末727Sをリン酸化するキナーゼには、MAPキナーゼと阻害剤H7に感受性のあるキナーゼの二つがあること、特に後者H7-感受性キナーゼは、低濃度IL-6による生理作用に重要であると考えられた。このキナーゼ同定のための作業を継続している。3.NGFで前処理されたPC12細胞がIL-6(gp130)に応答して神経突起を伸ばす際には、Ras/MAPK伝達路が重要であり、STAT3活性はむしろ神経突起伸長には抑制的に作用すること、NGF前処理によりIL-6によるSTAT3チロシンリン酸化が抑制されることを示した(東京大学、福井、伊原との共同研究)。4.大阪大学、長田らとG-CSFによる好中球への分化にSTAT3が必須であることを示し、また大阪大学、米田らと、STATの核移行に関与する分子について明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)