転写因子の欠損に直接起因する発がんにおける基本転写因子TFIIEとTFIIHの役割
Project/Area Number |
09254236
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大熊 芳明 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助教授 (70192515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 文雄 大阪大学, 細胞生体工学センター, 教授 (50012670)
前川 隆文 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (90273721)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 転写 / TFIIE / TFIIH / RNAポリメラーゼII(PolII) / キナーゼ活性 / 一本鎖DNA / CAK複合体 / 細胞周期 |
Research Abstract |
1.TFIIEβの一本鎖DNA結合活性の発見とTFIIEβ内の結合領域の同定 転写開始の際、プロモーターが転写開始点付近で二本鎖から一本鎖に開裂することで、PolIIが転写を開始する。TFIIEは、TFIIHと共にこの転写開始段階及び、転写伸長への移行段階に機能している。本年度、我々は2つのTFIIEサブユニットのDNAへの結合性を解析し、TFIIEβが単独で一本鎖DNAと結合子うることを見出した。そこで、TFIIEβ内のこれらの結合領域を上記同様に欠質変異体を用い、解析した。すると、TFIIBとTFIIFβと同様に、2つ並んだ塩基性領域のうち、C末側の方に結合することが明らかとなった。 2.TFIIHのキナーゼ活性によるPolIIリン酸化の解析とTFIIEβによるその促進の解析 TFIIEβについて、PolIIのCTDリン酸化との関連を解析すると、転写活性とPolIIの最大サブユニットのIIa型からIIo型への完全な移行が強い相関性を有することが示された。 3.TFIIHとその一部よりなる細胞周期制御因子CAKのキナーゼの基質特異性と転写活性との相関性の検討 TFIIHはPolIIのCTDキナーゼ活性を有する。一方、その9サブユニットの3個は遊離型のCAK複合体を形成し、細胞周期制御因子として機能する。CAKの方は、その基質特異性がTFIIHと異なり、制御も細胞周期でTFIIHの行う転写制御とは異なることから、我々の精製したTFIIHとCAK複合体でのin vitroでのキナーゼ活性と転写活性の比較を行った。その結果、TFIIHはCTDリン酸化を行い、CAKの基質であるCDK4のリン酸化は行わないこと、一方CAKはCTDリン酸化は行わず、CDK4をリン酸化することが示された。また転写の方は、TFIIHのみが担い、CAKにはその活性がないことがはっきり示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)