ヒノキチオールによるメタロチオネインの合成誘導と制癌剤の副作用軽減
Project/Area Number |
09255207
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永沼 章 東北大学, 薬学部, 教授 (80155952)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 伸彦 東北大学, 薬学部, 助手 (20229644)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
|
Keywords | メタロチオネイン / 合成誘導 / 遺伝子プロモーター / 亜鉛 / カドミウム / ヒノキチオール |
Research Abstract |
メタロチオネイン(MT)遺伝子のプロモーターに作用してMT合成を誘導する新しい物質を開発する目的で,MTプロモーターの支配下にβ-ガラクトシダーゼを恒常的に発現するL13-17細胞を用いて,約600種類の化合物についてMTプロモーター活性化作用を検討した。その結果,台湾ヒノキの抽出物であるヒノキチオールがL13-17細胞のβ-ガラクトシダーゼの活性を著しく上昇させることを見出した。ヒノキチオールのMTプロモーター活性化作用は,これまで知られている最も強力なMT合成誘導剤である塩化亜鉛とほぼ同程度であることから,塩化亜鉛に匹敵するMTプロモーター活性化能を有する薬物であると考えられる。ヒノキチオールをマウスL細胞の培養液に添加した後のMTmRNA量の経時変化をノーザンブロット法で解析したところ,ヒノキチオール添加4時間後からMTmRNA量の増加が観察され,その後12時間まで増加し続けた。同様の結果はヒト肝がん由来細胞であるHepG2細胞でも認められたことから,ヒノキチオールをリ-ド化合物として臨床応用可能なMT合成誘導剤の開発も期待できる。 MTプロモーター上には様々な物質に応答する領域がそれぞれ存在するが,最も強力な応答を示すMREは亜鉛などの重金属により活性化される。そこで低濃度のヒノキチオールと亜鉛またはカドミウムを共存さたところ相乗的にMTプロモーターが活性化されることが判明した。このようにヒノキチオールは金属化合物と併用することによってMTプロモーターを相乗的に活性化することから,体内に比較的多量のカドミウムを含有する一般的な日本人の組織中MT濃度を上昇させる上で有用な可能性が考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)