p53点突然変異マウス作成によるがん治療モデルの開発
Project/Area Number |
09255212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 健司 東京大学, 医科学研究所, 助手 (90253533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 和貴 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (20217657)
饗場 篤 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (20271116)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | p53 / ES細胞 / ジーンターゲッティング / 標的遺伝子置換 / 点突然変異 / マウス / 胸腺リンパ腫 |
Research Abstract |
p53遺伝子は、その変異がヒトの腫瘍から最も頻繁に検出されるがん抑制遺伝子の一つである。我々は、個体発がんにおけるp53遺伝子の突然変異と腫瘍の組織特異性とに注目し、p53欠損マウスを作成した。p53欠損マウスは、高頻度に胸腺にリンパ腫を発症し、生後6ヶ月以内に死亡する。また、ヒト腫瘍から頻繁に検出される変異は点突然変異が最も多い。すなわち、遺伝子機能の欠損だけでなく、特定の点突然変異が腫瘍の組織特異性を決めている可能性がある。そこで本研究では、これまでの研究成果をもとに、p53遺伝子を点突然変異に置き換えた突然変異マウスの作成を試みた。研究方法としては、ES細胞に2段階の遺伝子操作(標的遺伝子置換法)を施し、ヒト腫瘍で最も多く検出されるアミノ酸変異を伴うp53遺伝子の点突然変異(245番目のアミノ酸がアルギニンからトリプトファンに変異)と置き換えた。マウスp53遺伝子点突然変異導入ES細胞を用いてキメラマウスを作成し、さらに、ヘテロ型p53点突然変異マウスとホモ型p53点突然変異マウスを作成した。p53遺伝子をその点突然変異遺伝子と置き換えた場合、組織特異性および細胞の種類特異的にどのような腫瘍が発生するのかを解析し、p53遺伝子における特定の点突然変異と腫瘍発生の組織特異性との関係を追究した。その結果、ホモ型p53点突然変異マウスは、高頻度に胸腺リンパ腫を発症し、生後6ヶ月以内に死亡した。p53欠損マウスとp53点突然変異マウスで認められた自然発症腫瘍は、腫瘍の種類や発症時期に大きな違いが認められず、また平均寿命も類似していた。これらは、p53遺伝子の特定点突然変異が腫瘍の組織特異性を決めている可能性が少ないことを示唆している。今後、さらに発症する腫瘍を解析すると共に、正常p53遺伝子に対してドミナントネガティブ作用を示すかどうか追求する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)