ノックアウト・マウスを用いた腸ポリプ症の化学療法の研究
Project/Area Number |
09255214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武藤 誠 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70281714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松井 稔 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (50282611)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | APC / 家族性大腸ポリポ-シス / ポリプ / 低脂肪高線維食 / 高脂肪低線維食 / イニシエーション |
Research Abstract |
家族性大腸ポリポ-シス(FAP)の原因遺伝子であるAPCのマウスホモログApcをtruncationすることにより、腸管に多数のポリプを発生するマウスを作出した。Apc^<△716>マウスに発生する初期のポリプ(microadenoma)は、単一の陰窩においてoutpocketing pouchとして発生し、隣接する絨毛の内側へ入り込んで、2重層よりなる初期ポリプを形成する。この微小腺腫は拡大し、絨毛内部で折り畳まれる。腺腫が絨毛内腔に充満すると、下方へ拡大し始め、腸管腔内へ破裂することなく、隣り合った絨毛内へ広がっていく。この発生過程の間、基底膜は保持されたままであり腫瘍細胞のlabeling indexは正常な陰窩の上皮のそれと同等であった。この結果は、Apc^<△716>マウスの初期腺腫を構成する細胞は、陰窩から絨毛への正常な移動がないことをのぞけば、正常に分裂している陰窩の細胞と非常に似通っていることを示唆している。 我々は今回、低脂肪高線維食と高脂肪低線維食の腸管ポリプ症に対する影響を調べた。Apc^<△716>マウスにいずれかの食餌を7週間投与し、腸管ポリプの数と大きさを調べた。低脂肪高線維食を投与したマウスでは、高脂肪低線維食を投与したマウスに比べて、小腸で36%、大腸で64%のポリプ数の減少が見られた。ところが、ポリプの大きさの分布については、二つの群で差は見られなかった。これらの結果は、低脂肪高線維食が高脂肪低線維食に比べて腸管ポリプ症を抑制すること、そしてその抑制はポリプ発生のinitiation段階におけるものであることを示唆する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)