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¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
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Research Abstract |
我々は癌の浸潤・転移に伴う組織破壊のキ-エンザイムとしてゼラチナーゼA活性化酵素である膜型マトリックスメタロプロテアーゼMT-MMPを同定した。これまでに3種類のMT-MMP(MT1-,MT2-,MT3-MMP)が発見されているが中でもMT1-MMPはきわめて特異的に肺癌、胃癌、乳癌、大腸癌、咽頭癌などの癌組織に発現する。本研究ではMT-MMPを標的とした診断・治療法の可能性を検討し以下の結果を得た。 1.組織ゼラチザイモグラフィー、免疫染色、ノーザンブロティング、RT-PCRなどにより癌組織中の活性化型ゼラチナーゼAの産生とMT-MMP(MT1-,MT2-,MT3-MMP)の発現を検討した結果、発現頻度、レベルともMT1-MMPが最も高くなおかつ癌組織における活性化型ゼラチナーゼA産生とも良く相関した。 2.大腸菌を用いてリコンビナントMT1-MMPおよびMT3-MMP,を発現・精製した。リコンビナントMT1-MMP,MT3-MMPと蛍光クエンチングペプチド基質を用いてマイクロプレート上で測定する系を確立した。本システムによりMMPを標的として開発された抗癌剤、抗転移剤BB94及びCT543などを陽性コントロールとして抗MMP薬剤をスクリーニングすることができた。 3.MT1-MMP,MT3-MMP発現細胞をコラーゲンゼル内で培養することによりMT-MMP発現に依存した細胞浸潤を測定することが可能で薬剤による浸潤阻害を測定することが出来た。 以上、今回開発したリコンビナントMT1-MMP,MT3-MMPを用いた薬剤スクリーニングシステムは大量サンプルを簡便に容易に処理することが可能でありその結果はin vitroにおける細胞浸潤測定系を用いた結果と良く相関したことから、その有用性が認められた。
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