癌関連遺伝子の増幅、発現と腫瘍内環境因子の関連性の解明
Project/Area Number |
09255226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西村 恭昌 京都大学, 医学研究科, 助教授 (00218207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 真寛 京都大学, 医学研究科, 教授 (70173218)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,600,000)
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Keywords | 放射線治療 / 細胞周期関連抗原 / 腫瘍増殖能 / 免疫組織化学染色 / Q細胞 / VEGF / PCNA / Ki-67 |
Research Abstract |
1)食道癌生検組織を用いて、腫瘍増殖能の指標となる細胞周期関連抗原PCNA、Ki-67を免疫組織染色し、局所制御率、生存率との関連を検討した。その結果、PCNA、Ki-67陽性細胞数と放射線治療による食道癌の局所制御率との間に有意な相関を認め、PCNA、Ki-67陽性細胞数が高く、すなわち増殖期細胞(P細胞)が多く、休止期細胞(Q細胞)が少ない腫瘍の局所制御率が高かった。また、予後不良なPCNA陽性細胞数の低い腫瘍において、加速多分割照射によって局所制御率の改善が見られた。本研究によって、腫瘍の細胞周期関連抗原の発現(PCNA,Ki-67)が放射線治療での局所制御率に影響を与えることが示された。この結果は、腫瘍中に休止期細胞分画(Q細胞)が高いと照射効果が悪くなることを示唆している。これらの放射線抵抗性の腫瘍に対して、加速多分割照射が有効であり、腫瘍の細胞周期関連抗原の発現が照射法選択の指標となる可能性が示された。 2)マウスSCCVII腫瘍を用いて、40℃60分の温熱が、放射線抵抗性のQ細胞の低酸素分画に与える影響を検討した。その結果、40℃60分の温熱はQ細胞の低酸素分画を少なくとも3日間は有意に減少させることが明らかになった。また、ヌードマウスに移植したヒト大腸癌腫瘍(LS-180)およびマウスSCCVII腫瘍を用いて、44℃30分の温熱が起こす血管損傷が、残存腫瘍部にVEGFを誘導することを明らかにした。以上より、40℃60分間という軽度な温熱が放射線抵抗性のQ細胞の低酸素分画を有意に減少させることを明らかにした。これは、臨床でも十分加温可能な温熱が、放射線抵抗性腫瘍の照射効果を増強させることを示唆している。一方、44℃30分の温熱は血管損傷を来たし、残存腫瘍に血管新生因子(VEGF)を誘導することが示された。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)