抗癌剤の分子標的としての転写関連蛋白の発現機能解析と新治療法の開発
Project/Area Number |
09255262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
河野 公俊 産業医科大学, 医学部, 教授 (00153479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和泉 弘人 産業医科大学, 医学部, 助手 (50289576)
野本 実 産業医科大学, 医学部, 講師 (00164749)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥5,000,000 (Direct Cost: ¥5,000,000)
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Keywords | 抗癌剤 / 早期応答ストレス / シグナル伝達 / YB-1 / DNA損傷 / 転写因子 |
Research Abstract |
抗癌剤による癌細胞の示す早期応答ストレスのシグナル伝達と最終標的である転写因子に着目し、その発現や機能解析を基盤にして新しい癌治療法を考案することを目的として、今年度は我々の同定した分子標的として転写因子であるYB-1を中心に解析をすすめた。一方、抗癌剤、特にDNA損傷により誘導される遺伝子の同定とその制御領域の単離をすすめ、新しい分子標的のを転写因子を中心にすすめ、転写因子の制御からみた新しい治療法の考案を目指している。 今年度の成果として、 1.YB-1遺伝子のゲノム構造を明らかにし、特徴的な核酸結合領域であるCold Shock Domainのエキソン構造から、この遺伝子の進化的考察を行った。 2.YB-1の蛋白の細胞内局在とGFPとのフュージョン蛋白の発現によりストレス応答による核内移行の機序の存在を明らかにした。またこの移行にはリン酸化が関与することが判明した。 3.ストレス応答によるMDRIの発現上昇がYB-1の核内移行とカップルすることを、レポーターを導入した細胞株にアンチセンスを発現することより証明した。 4.MDRIプロモーターの発現にはYB-1の結合のみならず給合部位近傍のメチル化の状態が関与することをMDR1遭伝子を持つ人工酵母染色体の導入株の解析で明らかにした。 5.YB-1の結合部位を持つプロモーターとしてDNAトポイソメラーゼIIαに注目しDNAトポイソメラーゼIIの遺伝子のHeat Shockによる発言誘導にYB-1が結合しうるinvertedCCAATbox(Y-box)が関与することを示した。 現在YB-1を中心とした細胞内の会合分子の同定をすすめている。一方MDR1プロモーターを用いたトポIを標的とする新しい治療法の開発は進行中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)