Project/Area Number |
09257202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
丸山 芳夫 東北大学, 医学部, 教授 (00133942)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | パッチクランプ法 / 膵腺腺房細胞 / オルガネラ膜 / 核膜小胞体 / Kチャネル / イベリオトキシン / Ca応答 / 膜電位依存性 |
Research Abstract |
標準的パッチクランプ法のオルガネラ膜(小胞体膜)への適用に当たり、細胞核包を調整取得する操作からはじめた。単一膵腺腺房細胞は消化酵素(コラゲナーゼとトリプシン)を段階的に用いることで得られた。倒立顕微鏡下、低浸透圧溶液をガラスピペットにて細胞に吹きかけ、細胞を膨らませておき、その細胞表面に小さなカットを入れて脱核を促した。こうして得られた核包は、小胞体(ER)の小部分が核を袋状に囲んだ構造をもっていた(Nuclear Envelope: NE)。ER管腔はWhole-ER recording(通常のWhole-cell recordingと同様の操作)を用いて親水性蛍光色素、ルシファーイエロ-、をERに注入し確認できた。このように、標本はNEでありER膜による閉鎖管腔を構成していることが分かった。以上の基本的手技をふまえ、小胞体膜でのチャネルの同定およびその存在意義を調べた。ER膜には数種のイオンチャネルが存在した。つまり、管腔側カルシウムイオンにより活性化される200pS maxi-Kチャネル、および10ps以下のCIチャネルであった。前者はmaxi-Kチャネルの特異的阻害剤であるイベリオトキシンおよびパキシリンで抑制された。こうした阻害剤を細胞内へ注入し、細胞内カルシウム増加反応を、細胞膜に存在するカルシウム依存性イオン電流を指標として調べた。膜電位を正80mV以上にした場合と負80mVの場合で反応を比較すると、膜電位正値の場合に反応が著しく増大した。つまり、maxi-Kチャネル阻害剤の存在で細胞内カルシウム放出反応に非対称性が現れた。このことから、同K-チャネルは、細胞内カルシウム貯蔵部位間でのカルシウム分布を均一化する役割を担うことが示唆される。
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