Project/Area Number |
09257247
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 隆宏 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (20300973)
若林 繁夫 国立循環器病センター研究所, バイオサイエンス部, 室長 (70158583)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
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Keywords | Na^+ / H^+交換輸送系 / Ca^<2+>交換輸送系 / カチオン交換輸送系 |
Research Abstract |
細胞膜カチオン交換輸送分子の構造・機能相関並びに細胞内情報伝達系との相互作用を研究して、細胞生理及び病態におけるこれらの輸送系の役割を明らかにすることを目指している。本年度は医科の成果を得た。1)Na^+/H^+ exchanger(NHE1)の活性調節に細胞内Ca^<2+>がどの程度関与するかを検討するため、Na^+/Ca^<2+> exchanger(NCX1)をCCL39繊維芽細胞に過剰発現し、増殖因子による細胞内Ca^<2+>動員が著しく抑制された細胞系を作成した。様々な刺激によるこの細胞のNHE1活性化を検討したところ、a)細胞内Ca^<2+>の関与は刺激の種類によって異なり、トロンビン>PDGF>>PMA及び高浸透圧刺激の順であり、b)トロンビンによるNHE1活性化は、Ca^<2+>とPKCを介してNHE1の異なるドメインに依存して調節される、c)トロンビン刺激した場合、見かけのCa^<2+>動員が一過性であるにも関わらず、カルモデュリン結合によるNHE1活性化は長時間持続することを示唆するデータが得られた。2)NHE1とNHE2は高いアミノ酸配列のホモロジーを示すにも関わらず、前者はcell shrinkageで活性化され、後者は活性化されない。NHE1のcell volume変化を感受する機序を検討するため、NHE1とNHE2の種々のキメラを作成し、これらを発現した細胞の高浸透圧刺激に対する反応を解析した。その結果、NHE1細胞質ドメインのカルモジュリン結合ドメインが、この作用に関与することを強く示唆する実験結果が得られた。3)CCL39細胞の外液Na^+をNHE1の基質となるLi^+で置換するとpH_iが上昇することが見いだされた。このpH_i上昇は、choline^+による置換やNHE1阻害剤(EIPA)存在下ではおこらず、また、NHE欠損株(PS120)ではおこらないことから、NHE1の活性化によると結論された。Na^+→Li^+置換によってCa^<2+>動員、PI代謝亢進は起こらない。また、Na^+→Li^+置換によるpH_iの上昇は、Gタンパク質(G_i,G_o)阻害剤IAP,MEK阻害剤PD98059,PI3kinase阻害剤LY294002によって阻害されず、PMA処理によりPKCを枯渇させてもほとんど阻害されないが、比較的低濃度のチロシンリン酸化阻害剤genisteinによって著明に抑制された。これらの結果は、細胞外に添加したイオンからNHE1活性化に至る新しいタイプの細胞内情報伝達機構が存在する可能性を示唆するのかもしれない。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)