シナプス可塑性に関わる神経ペプチド遺伝子の転写制御と転写因子
Project/Area Number |
09259222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
樋口 宗史 新潟大学, 医学部, 教授 (30150337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 直正 大阪大学, 医学部, 教授 (40094445)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | neuropeptide Y / enkephalin A / calmodulin / NGF / depolarization / differentiation / NDF1 / transcription factor |
Research Abstract |
本研究では、中枢神経に最も豊富にかつ神経特異的に発現するNPYおよびEnkephalin A遺伝子を用いて、シナプス可塑性に関わる神経ペプチド遺伝子の転写活性化の制御機構の解明と、その特異的転写制御因子の同定を、分子生物学的・薬理学的手法で行った。これまで、NPY及びENK神経ペプチド遺伝子プロモーター上のNGF反応エレメント(NGFRE)やCa/calmodulin-dependent kinase反応エレメント(CaRE)を同定した。これらのエレメントを含んだCATベクターやDNAアフィニティーカラムを準備し、転写実験や因子の精製に用いている。また、Southwestern法によって、神経細胞cDNAライブラリーから転写制御因子のクローニングを行った。シナプス可塑性に関わる、神経活動による神経ペプチド遺伝子の発現増加がこれら2つの反応エレメントを介した転写活性の増加である事と、それに関与する転写因子について興味あるデータを得た。 平成9年度は、特にNPY遺伝子のNGFREに結合する種々の転写因子のうち、どの転写因子がNGFによる細胞内情報伝達を伝えているのかを、CATベクターを用いた培養PC12細胞での発現実験で解析した。NGFRE結合蛋白質として26kDaのカプサイシン結合核蛋白質をクローニングし、このNDF1の機能解析実験として、NDF1 cDNAのPC12細胞での一過性および恒常的発現実験を行ない、NDF1が交感神経への分化の制御に働くことを見出した。この因子の活性は神経作用薬Capsicinの調節を受けると予想され、その薬物の作用機構を追及中である。 NDF1の交感神経と中枢神経系での分布を調べる実験も行った。26kDa核蛋白質NDF1 mRNAはIn situ hybridization法により神経系に広範に存在することを見いだした。更に、この因子は神経発生に伴い、胎生時期E18に極大をとる、著しい発現の変化を示す。このことはNDF1の神経分化での生理的役割を強く示唆していた。
|
Report
(1 results)
Research Products
(8 results)