神経活動の活性化とカルモデュリン依存性プロテインキナーゼのシナプス後肥厚への移行
Project/Area Number |
09259227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 卓 徳島大学, 薬学部, 教授 (90041813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 好之 徳島大学, 薬学部, 教授 (20035554)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | PSD(postsynaptic densities) / Ca^<2+> / カルモデュリン / PSD-CaM kinase II complex / トランスロケーション / プロテインキナーゼ / タンパク質リン酸化 |
Research Abstract |
本研究では神経伝達の中心的な部位であるシナプス後肥厚(PSD)の主要構成タンパク質であるCa^<2+>/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(キナーゼII)が、シナプスの活性化にともなって、細胞質からPSDに移行するとともに、Ca^<2+>シグナルが持続すること、リン酸化され機能調節されるタンパク質のcDNAクローニングと構造決定することにより、神経活動による受容体刺激以降の細胞内情報伝達の仕組と調節の分子メカニズムを解明することを目的とし、以下の結果を得た。(1)PSD CaM kinase IIはプロテアーゼ処理することにより、自己リン酸化型の酵素から特異的に活性型のCaM kinase IIが遊離することを見い出した。(2)活性型のCaM kinase IIを均一に精製し、細胞質の酵素と同じ触媒活性をもつことなどを示し、PSD CaM kinase IIの活性部位がPSD構造の中でマスクされているために活性が抑制されていることを明らかとなった。(3)細胞質のCaM kinase IIとPSDの相互作用を調べ、細胞質のCaM kinase IIが自己リン酸化された場合にPSDに移行し、PSDと複合体を形成することを明らかとなった。(4)1mgのPSDタンパクに最大約60μg CaM kinase IIが結合した。(5)PSDに移行したCaM kinase IIはCa^<2+>非依存性活性を有し、Ca^<2+>の存在しない条件でもPSDの多くのタンパクをリン酸化した。(6)PSDに移行したCaM kinase IIは脱リン酸化により細胞質へ戻ることから、細胞質のCaM kinase IIはリン酸化に依存して可逆的にPSDへ移行することが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)