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¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
新しいD-ミオ-イノシトール1,4,5-三リン酸(Ins(1,4,5)P_3)結合蛋白質(p130)を見い出した。p130の細胞内機能を探るための研究を遂行した。 1.安定的にp130を発現するCOS-1細胞株を作製し、ブラジキニン(Bk)や上皮成長因子(EGF)刺激に伴う細胞内Ca^<2+>濃度変化を測定した。対照に比し、Bk刺激によるCa^<2+>反応の減弱化が認められた。この結果は濃度-反応曲線が右方シフトしたためであることが分かった。EGF刺激の場合も基本的には同じ結果が得られた。この原因として二つのことが考えられる。発現したp130が細胞膜の内側にあるホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PtdIns(4,5)P_2)に結合して、PLC活性化による加水分解をブロックしたか、あるいは、PLC活性化によって生成したIns(1,4,5)P_3がp130によって結合され、小胞体上の受容体に結合する量を減らしたためか、である。これを区別するため、Bk刺激によって細胞内に生成したIns(1,4,5)P_3を定量した。刺激前の量はp130を過剰発現した細胞のほうがむしろ多く、刺激に伴って生成するIns(1,4,5)P_3量に対照との相違は認められなかった。この結果は後者の可能性が高いことを支持している。したがって、p130は細胞内Ca^<2+>反応のnegative regulatorとして働いている可能性が考えられる。 2.In situハイブリダイゼーションによって中枢神経におけるp130のmRNAの分布を調べた。小脳のプルキンエ細胞、顆粒細胞層、大脳では皮質の特定の細胞層、また、海馬、歯状回に多く分布していることが分かった。
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