Project/Area Number |
09261212
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
桑田 一夫 岐阜大学, 医学部, 助教授 (00170142)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | βラクトグロブリン / 多次元・多核NMR / TFE / 二次構造 / ダイナミクス / α→β転移 / オフ・レゾナンス / スピン・ロック |
Research Abstract |
酵母で発現したウシβラクトグロブリンA(BLG)の主鎖の原子核を、種々の溶媒条件下で、多次元・多核NMRを用いて帰属し、同時に、主鎖のダイナミクスを調べた。 天然状態の溶液中における二次構造は、X線解析の結果とかなり一致していたが、βシートの端が合わない部分が多数認められた。全体として、後半のβシート群が、疎水性のコアを形成しているという考えを支持する結果が得られた。 BLGはトリフルオロエタノール(TFE)中でヘリックス構造をとることが知られているが、ヘリックス構造が安定となるTEF50%中において、主鎖の原子を多次元・多核NMRを用いて帰属し、同時に、主鎖のダイナミクスを調べた。得られた二次構造では、約52%のαヘリックスが含まれていた。 BLGのα→β転移の中点に当たるTEF15%中で、種々の温度下で、2次元HSQCスペクトルを測定した。この結果、BLGの水溶液中における天然立体構造形成過程においても、後半(β_E〜β_H)部分が先に疎水的なコアを形成するが、前半部分(β_A〜β_D)は局所的相互作用が優勢で、ヘリックスのまま、一時的に留まっていると考えられた。 パルス・デザインにおいては、α→β転移のような、ゆっくりした構造揺らぎの周波数を、全ての原子において明らかにするため、多次元・多核NMRにおける、オフ・レゾナンス・スピン・ロックを行うためのパルス系列を複数開発した。これにより、原子の運動を、kMzオーダー周波数として、観測出来るようになると考えられる。現在、TFE15%中のBLGを用い、観測を行っている。
|