蛋白質の酸誘発アンフォールディングのストップトフロー熱測定
Project/Area Number |
09261229
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
児玉 孝雄 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30034200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 英幸 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (90253567)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | ストップトフロー法 / 蛋白質のアンフォールディング / エンタルピー変化 / エネルギー論 / キモトリプシン |
Research Abstract |
ストップトフロー熱量計の性能テストとデータ解析の方法を確立するために,α-トリプシン(CT)によるN-benzoyl-L-tyrosine ethylether(BYT)の加水分解反応の測定を行った.まず,BYT加水分解熱(ΔH_0)を求めるために,低CT濃度(0.02mM)での種々の濃度(>Km)のBYT加水分解を解析した結果,みかけのΔH_0(ΔH_0‘)はpHによらず用いた緩衝液の中和熱に等しいことが明かとなった.また,反応にともなう熱産生速度から定常状態反応速度を求めたところ,pH測定法でえられた結果とよい一致がみられた.つぎに,CT濃度を0.1mMとして,BYE0.7mM,0.35mMの非定常状態の測定を行ったところ,フローストップ時点までに完了する速い吸熱に過程に引き続く速い発熱が観測され,その後ほぼ一定の遅い発熱が基質が消失するまで続いた.これらの3つの熱変化過程の速度と大きさは基質濃度に応じて変化した.また,速度は中間過程の速度パラメータのpH依存性から期待される変化を示した.中間過程の速度パラメータ(CT・BYE複合体の解離定数,アシル化および脱アシル化速度)と速度パラメータに対応する反応熱を求めるために,このようにして得られた熱変化曲線に対する修正Powell最適化法によるカーブフィッティングを行った.その結果,えられた速度パラメータは定常状態速度論でえられた結果とよい一致を示した.また,CT・BYE複合体形成,アシル化,脱アシル化は,それぞれ吸熱,発熱,吸熱過程であることが明らかになった.これらの成績から,本研究で用いたストップトフロー熱量計は一次反応速度にして30s^<-1>程度までの速い複合過程を熱的に分離できることが示されたので,研究課題の解析を現在進めている.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)