Project/Area Number |
09262213
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Akita Prefectural College of Agriculture |
Principal Investigator |
小野 道之 秋田県立農業短期大学, 附属生物工学研究所, 講師 (50201405)
|
Project Period (FY) |
1997
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
|
Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 性決定 / 日長感受性 / シロイヌナズナ / 光周性 / 花芽誘導 / 花成誘導 / サーカディアンリズム / germin-like protein |
Research Abstract |
光周性の性決定と花成誘導は、日長の変化が誘起する生理現象として広く知られるがその分子機構は明らかではない。申請者がアサガオから短日性花成誘導機構と平行関係にあるタンパク質として報告したGLP(germin-like protein)の遺伝子は、光周性花成の2大モデル植物であるアサガオ(短日性)とシロガラシ(長日性)で日長感受性の違いを反映した転写調節を受けることが示された植物界で最初の遺伝子であり、日長感受性の分子機構を調べる手がかりになることが期待される。昨年度はキュウリのGLP遺伝子が、花芽の性決定に関する日長反応性が異なる品種間の差を反映する転写調節を受けることが示された。本年度はさらに進めて、分子機構を調べる目的に最適な長日植物シロイヌナズナからAtGLP遺伝子を単離して解析を開始した。シロイヌナズナからはAtGLP1、AtGLP2の2種の遺伝子が単離された。これらの遺伝子の染色体上の位置を遺伝子マッピングによって決定した。座位は花成関連のQTLと一致する可能性が示されたが、既知の突然変異とは一致しなかった。これは2つの遺伝子がアミノ酸配列で64%一致し、発現様式も似ていることから、互いに相補するためとも推察された。AtGLP1,2の機能を調べる目的で、これらを過剰発現・発現抑制した遺伝子導入植物を作成して、現在観察を行っている。一方、ノーザン法によって葉におけるmRNA量を解析した結果、AtGLP1,2のmRNAは共に明期開始から16時間目を中心として増加・減少する日周変動を示すことが判った。この変動は連続明条件では持続するサーカディアンリズムを示すが、連続暗条件では停止し、短日植物(アサガオ)とは正反対の様式を示す興味深い結果となった。さらに、AtGLP1,2のプロモーター領域の塩基配列を決定した。現在レポーター遺伝子に接続した機能解析を進めている。
|