新しい核膜孔複合体蛋白質p50とp39の構造と蛋白質核移行における役割
Project/Area Number |
09263205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
堀米 恒好 新潟大学, 理学部, 助教授 (60053352)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 蛋白質核移行 / 核外輸送 / mRNA輸送 / mRNA結合蛋白質 / 核膜孔複合体 / DNAヘリカーゼ / RuvBヘリカーゼ / 核マトリックス |
Research Abstract |
核膜孔複合体の蛋白質のp50、p39を中心に、隔膜の構造と機能を調べ次のような結果を得た。まず核膜蛋白質分離のための60%ギ酸中での逆相HPLCを開発し、構造解析のための蛋白質が容易に得られるようになった。そしてp50、p39その他の蛋白質をこの方法で精製した。クローン化したp50のアミノ酸配列を調べたところ大腸菌のDNAヘリカーゼRuvBとホモロジーが認められた。p50は細胞分画法で核膜-核マトリックス画分に局在していることが示された。またp50はATP-セファロース結合活性をもっていた。抗p50を培養細胞に微量注入したが蛋白質の核移行は阻害されなかった。p50結合蛋白質を免疫沈殿法で調べたところ、WGA結合性の64kと非結合性の47kの蛋白質が結合していることがわかった。これらの結果より、p50は真核生物では初めての、RuvBホモログのDNAヘリカーゼであり、核膜または核マトリックスに、64k、47kの蛋白質と複合体の形で結合して機能しているものと考えられた。ラットp39は部分アミノ酸配列を調べてデータベース検索をしたところ、核外輸送蛋白質のRae1のラットホモログであることが明らかとなったことから、mRNAの核外輸送に働いている蛋白質と考えられた。また一方この蛋白質は原発性胆汁性肝硬変およびシェ-グレン症候群の自己免疫性疾患患者血清と反応したことから、これら患者の自己抗原の一つであることが明らかとなった。その他、核膜内膜にある核移行シグナル結合蛋白質(NBP60/LBR)とクロマチンの相互作用を解析しこの蛋白質の機能ドメイン構造を明らかにすると共に、この蛋白質を含んでいると考えられる核膜前駆小胞とクロマチンの相互作用を解析した。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)