色素性乾皮症C群蛋白質を中心とした染色体DNA損傷修復機構の解析
Project/Area Number |
09263209
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
益谷 央豪 大阪大学, 細胞生体工学センター, 助手 (40241252)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ヌクレオチド除去修復機構 / 色素性乾皮症(XP) / XPC蛋白質 / hHR23蛋白質 |
Research Abstract |
染色体DNA上の損傷は、細胞核の機能発現に重大な支障を来たす。従って、DNA修復機構の解析は、細胞核の機能維持の観点からも重要である。特にヌクレオチド除去修復(以下NER)は、最も広範な種類のDNA損傷に対応する修復機構である。ヒトの遺伝病である色素性乾皮症(XP)のAからGの7つの相補性群では、このNER機構に欠損があることが知られている。 我々は、XP-C群の欠損を相補する因子として、XPC-hHR23B複合体を同定して解析を行ってきた。hHR23Bは、出芽酵母のRAD23と高い相同性をもつ蛋白質であったが、その機能については全く明かにされておらず、NER関与するかどうかという点についても明かではなかった。 XPCとhHR23Bの組み換え蛋白質を作成して解析した結果、XPC単独では弱い修復反応しか行われず、hHR23Bの存在下で活性が促進されたとから、hHR23BのNERへの関与が示された。さらに、hHR23Bの様々な欠失変異蛋白質を作成し、XPCとの結合領域およびNERに必要な領域を調べたところ、XPC結合能をもつもののみがNER反応を促進した。このことから、hHR23BはXPCとの結合を介してNERに関与していることが示された。しかし、hHR23BのXPC結合領域以外の欠失は、NERへの影響が少なく、hHR23BがNER以外の機能をもつことを示唆している。一方、哺乳類細胞では、hHR23Bと高い相同性を示す別の遺伝子産物hHR23Aが発現している。この2つの蛋白質は、hHR23Bで同定したXPC結合領域においても非常に高い相同性が見られた。実際、hHR23AについてもXPCと結合できること、さらに、NER活性ももつことが明かになった。この結果より、hHR23AとhHR23Bは、NERにおいては、互換性のある蛋白質であると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)