天蚕の前幼虫態休眠における新内分泌系の機能解析と分子機構
Project/Area Number |
09265202
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
鈴木 幸一 岩手大学, 農学部, 教授 (20003791)
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 1997: ¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
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Keywords | 天蚕 / 前幼虫休眠 / 抑制因子(RF) / 成熟因子(MF) / KK-42結合タンパク質 |
Research Abstract |
イミダゾール化合物で天蚕の人工ふ化に成功している。また実験形態学的手法により、この前幼虫態休眠は中胸に存在する抑制因子(RF)で維持され、第2〜5腹節に存在する成熟因子(MF)で後休眠期が進行すると考えられている。本研究は、これらの全貌を理解するために、RFとMFを単離し、イミダゾール系化合物処理と結合するタンパク質の解析から検討することにした。また、二つの因子の分泌器官を推定するために、数種の抗体を利用し免疫組織化学的に観察した。 その結果,(1)FMRFamide抗体に反応する口胃神経系のニューロン前腸と中腸の境界部で、また分泌細胞は中腸皮膜細胞で観察された。この結果、RFとMFの分泌部分にはペプチド分泌細胞の存在が示唆された。 (2)これまでの方法(1994)を改変し、酸メタノール溶液で両因子を抽出し、逆相HPLCで分析したところ、従来より簡便で多量の活性画分を得ることができた。このことから、両因子の単離の可能性が一層高まった。 (3)休眠期に特異的な7.5kDa(N末端ブッロク)、休眠覚醒にともなっては6.2kDaと5.6kDaのペプチドが強く発現することが明らかになり、それぞれを単離することができた。また、休眠期からはKK-42結合タンパク質を単離することができた。さらに、前幼虫でも活性を有するAny-PPを5齢幼虫血液から単離し構造決定した。これによって、イミダゾール化合物や長期低温による休眠覚醒機構の糸口をとらえることができた。 以上のことから、前幼虫態休眠の制御系には上述した分子群が深く関与するものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)