線虫Caenorhabditis elegansを用いた休眠打破機構の解明
Project/Area Number |
09265216
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
河野 強 鳥取大学, 農学部, 講師 (50270567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宅和 京子 (財)サントリー生物有機科学研究所, 研究員
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Project Period (FY) |
1997
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1997)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1997: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | nematode / C.elegans / diapause / gene expression / cloning |
Research Abstract |
線虫Caenorhabditis elegansの生活環には「耐性幼虫形成」と呼ばれる現象が知られている。これは、生存に不利な環境に応答して一時的に生育を停止する現象であり、昆虫類の幼虫休眠と類似している。本研究の目的は、線虫C.elegansのいわゆる“休眠"が打破される機構を解明することにより昆虫類にも共通する重要な知見を得ることである。そこで本研究では、まず、耐性幼虫打破前後での動的変動を遺伝子レベルで解析することにした。 C.elegansをegg plate法で大量調製し、食餌(大腸菌)が枯渇した状態に放置することにより耐性幼虫を形成させた。次いで、耐性幼虫の一部を食餌を十分に含んだ液体培地に移し、1時間、3時間および12時間振盪培養を行った。それぞれの線虫よりmRNAを調製し、differnetial display法をを用いて遺伝子発現パターンの差違を検出した。次いで、時期特異的に発現するバンドの塩基配列分析を行い、C.elegansのゲノムプロジェクト情報を検索した。次いで、RACE法を用いて全長cDNAの構造を明らかにした。さらに、ゲノムDNAの構造を推定した。 differential displayによる発現パターン解析の結果、耐性幼虫においては、おおむね遺伝子発現が抑制されており、耐性幼虫打破の亢進に伴い、時期特異的な遺伝子発現が認められた。今回解析したクローンのうち、1時間後に特異的に発現する遺伝子は、リボゾームタンパクをコードしていたが、スプライシング制御に関わるSWAP遺伝子と連動する可能性が示唆され、興味深い。また、12時間後に特異的に発現する遺伝子は414アミノ酸残基よりなる新規タンパクをコードしていた。これは、他のタンパクと有意な相同性を示さず、機能は不明である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)